魔界動乱期
「ふむ、それで?」

「国のルールを統一し、内乱を防ぐ。そして強い魔族を発掘します。国を強くするための特命軍の編制をお許し願いたい」

「ふふ、唯一私の相手になる可能性のある魔族は‘最強種族’のラウド。そうだな、ラウドとの戦いを存分に楽しむためには他の奴等をお前達が黙らせるのがよい」

特命軍の編制は、ロイドのかねてからの構想であった。
自ら特命軍を作り魔族を発掘する事により、自分に傾倒し、強く、信頼出来る魔族を手元に置くためだ。

こうして、後にロジの中心戦力となる三百魔の特命軍が編制される。
そのメンバーのほとんどは役職を持たない国軍所属や、軍に所属せずに在野として職務に従事していた者だった。

そしてロイドは特命軍指揮官となり、特命軍軍団長として、当時第三師団長だったリュウを指名した。

リュウは‘生ける魔剣’を持つ剣士で、もちろん魔法も使う。魔剣はそれ自体も魔力と属性を有し、持ち主を選ぶ。
選ばれし者以外が使えばただのナマクラ刀である。

「な、なぜ私を……?私は世間からは酷評を受けています」

リュウのいる第三師団は、ザガン国軍十一師団中、最も支配下ゼモルを増やしていた。
つまり、ギガに最も貢献していたのだ。
しかしそれには理由がある。

自国以外の国がある限り、ギガが気ままに攻め込み犠牲が出る。
ならばギガの標的になる前に第三師団の領地として管理下に修めた方が良い。
リュウはそう考えていた。
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