魔界動乱期
サンタストはロジから程近い場所にあるが、その面積のほとんどが険しい山々である。
ロイドは、サンタストに町や村があるとは聞いたことがなかったが、どうにも無視出来ない声に導かれるように出発する。

風の魔法で飛行し、サンタストの山を上から見下ろす。
そのとき、ロイドは体に異変を感じた。

「うっ、力が……いや、魔力が体内に押し込められる!?」

魔力の外的抑止力を感じたロイドは、眼下の山に着地した。

「これは……、結界か?とすると、やはりこの国には魔族がいるんだ」

結界により魔力を感じる事は出来なかったが、魔力とは違う千里眼の能力も封じ込められている。

「これほどの結界を張る事が出来るとは、相当の魔法……魔術の使い手がいるな」

それからロイドはいくつもの山を越え、山頂から見える村がないか探し回った。

「ふう……ないな。あとはあの一番高い山を登るしかないか」

そしてロイドはその山を登り始めた。
ロイドがザガンを出発してから実に四日が経過しており、そのほとんどの時間をサンタストの山中で過ごしていた。

そしてロイドが山頂に辿り着く。
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