魔界動乱期
ジードはラウドに内緒で、ジードグループと言うような集団を形成していたのだ。
始まりは、川で魚を捕りに行ったジードに二魔の魔獣が襲いかかった事が発端であった。

ジードは襲撃を退けたのだが、その強さに感銘を受けた魔獣達がジードを慕ってきた。

「いつかは俺も、ルークさんと同じくらいの勢力を誇る集団を築き上げるぞ！そうなったら、親父驚くだろうなあ」


高台―


「よっ、ラウド。息子の成長はどうだ？」

ジードが出掛けて間もなくしてルークが高台を訪れた。

「ルークか。うむ……、正直、あいつの成長を見守るのが楽しくて仕方がない。だが、最近のジードの‘火遊び’がな……。どう考えてもお前の影響を受けているぞ」

「‘ジードグループ’か。いいじゃねえか。あいつも上を目指す男だって事だ。それにジードは仲間を大切に思ってるし、良きリーダーの器らしいぜ」

「ガイの情報か」

ジードグループには、ウルフ軍団の副リーダーであるガイの息子も加わっている。
従ってガイからルーク、そしてラウドと、ジードの動きは筒抜けなのであった。

「オメエもジードの成長のため黙認するって言ってたじゃねえか。集団を修める事は良い経験さ」

「しかしなかなか大きくなっているようだからな。あいつは魔法が使えない。この森では、負けイコール死だ。もしこの先強敵とぶつかる事になれば……」

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表紙・目次

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