魔界動乱期
「その声……君だな。私に話しかけたのは」

「そうです。私はフレア。‘光竜のフレア’闘竜の系譜の三男です」

どこから見てもヒューズのその魔族は、自らを竜だと言った。

「闘竜の系譜、三男……!?」

闘竜の系譜は二十四の兄弟がいる。
このとき、末弟のデグタスが七百歳を越えていたので、若作りに見えるフレアは三百歳を越えたばかりのロイドよりもかなり年齢が上ということになる。

「ロイド殿、あなたに仕える事が私の使命。そのためにここにお呼び致しました」

「この前も言っていたが、その使命は誰から与えられたものなのだ?」

「竜には生まれつき使命というものが存在します。我々はその使命に基づいて生きる。あなたが生まれる前から、私はあなたに仕える事が使命でした」

「私が生まれる前から……?何のために?」

「竜は神の遣い、と昔から言われております。使命の答えは神のみぞ知るところ」

ロイドはしばらく考え込んだ。闘竜の系譜の魔族が自分に仕える意味。神がそうさせた意味。

「そうか神よ。私が魔界を修めるか、魔界を滅ぼすか、見極めようというのか……」

そこへ、一魔の魔族がやってくる。

「フレア、この方がロイドさん?」
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