魔界動乱期
ザガン軍には、ギガの強さに憧れるギガ派も存在する。
ロイドは皆に向かい、大きな声で語りかける。

「ギガの強さに憧れた者もいよう。だが、己の欲望のままに他を制圧する姿に憧れたか?違うだろう。ギガは今敗れた!私は君達にも力を貸して欲しい」

ザワザワとざわめきが起きる。

「一緒に頑張ろう!!」

皆を引っ張るようにロイドが笑顔で腕を上げると、その場が大きな歓声に包まれた。

「さすがのカリスマ性だな」

フレアが呟く。
そこで、ロイドの後ろからヒョコッと一魔の魔族が顔を出した。

「俺も混ぜてくださいよお」

リュウの指示で逆側の城外を守っていた、特命軍副長のニドゥである。

「ニドゥ、城外の守り、ご苦労だったな」

「あ、ありゃ……知ってたんですね、ロイド様。それでそれで!あたらしい国名はどうするんです!?」

「国名か。考えてなかったな。今まで通りザガンでいいのではないか?」

「へへへ、そうだと思いましたよ。実は良い名前があるんです。ロジ!ロイド・ジェシック様、略してロジです!どうです?なあ、リュウ、いいだろう?」

「うん……ロイド様の下で頑張ってるって気がするな」

「よし!おい皆!今日からこの国名はロジだ!ロイド・ジェシック様、略してロジだぞ!!」

「お、おい、ニドゥ……」

この国名変更に兵士達も笑顔でロジという言葉を連呼している。

「へへ、決まりですね!」

そしてその数年の後、ロジはグレイド・ギルシャスとの戦争に突入し、八十年にわたる長き戦いの末勝利を収め、魔界一のグレイドの地位を築いてゆくことになる。
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