魔界動乱期
「とうとう森の王が来たってわけか。二億の賞金首がな!」
ケトスが戦闘の構えを見せた瞬間、二魔の背中に悪寒が走る。
「ルークは私の親友でな……」
明らかな怒気を隠しもせず、ラウドの膨大な魔力が大地を揺らす。
「うっ……」
「‘貴様ら’、あいつが生きてるから無事に帰してやると言っているんだ。生きていたければ、このまま森を出ろ」
怯みながらも戦闘の構えを崩さないケトスを、ウラノスが制した。
「わかった。我々は森を出よう」
そしてウラノスはラウドに背を向け、森の出口方面へと進み始めた。
「ウラノス!おい!」
真っ直ぐに出口に向かう二魔から視線を離さず、いつまでもラウドはそこに立っていた。
「ラウドのあの魔力……。あれは一線を退いた者の魔力ではない。下手をすれば‘三王’と同等だ」
「た、確かに底知れない魔力だったな」
‘三王’とは、現グレイドの三国の王を総称して呼ぶ名である。
つまり、現在の魔界の頂点を意味する。
「ケトスよ、ここは退き時だ。だが私にも考えがある。賞金は今後もかけられ続けるんだ」
「ふうん、ま、そういう事なら仕方ねえ。頼りにしてるぜ」
こうして、魔獣の森に侵入した二魔のエージェントは森の外へ出た。
「ふう。またルークに親バカと言われてしまうかもな」
ラウドが見せた、今までにないくらいの魔力を感じてジードがそこに到着する。
「親父!!ヤツらをやったのか!?」
「ジード……。エージェントの二魔は引き下がっていったよ」
「な……?なんでだ!なんで何もしないで見てたんだよ!?ルークさんがやられたんだぞ!」
「おそらく、ヤツらはまた来る。ジード、それまで己を磨いていろ。それにこの賞金稼ぎ騒動が一旦終息したら、アバルが本腰上げて攻めてくる」
ケトスが戦闘の構えを見せた瞬間、二魔の背中に悪寒が走る。
「ルークは私の親友でな……」
明らかな怒気を隠しもせず、ラウドの膨大な魔力が大地を揺らす。
「うっ……」
「‘貴様ら’、あいつが生きてるから無事に帰してやると言っているんだ。生きていたければ、このまま森を出ろ」
怯みながらも戦闘の構えを崩さないケトスを、ウラノスが制した。
「わかった。我々は森を出よう」
そしてウラノスはラウドに背を向け、森の出口方面へと進み始めた。
「ウラノス!おい!」
真っ直ぐに出口に向かう二魔から視線を離さず、いつまでもラウドはそこに立っていた。
「ラウドのあの魔力……。あれは一線を退いた者の魔力ではない。下手をすれば‘三王’と同等だ」
「た、確かに底知れない魔力だったな」
‘三王’とは、現グレイドの三国の王を総称して呼ぶ名である。
つまり、現在の魔界の頂点を意味する。
「ケトスよ、ここは退き時だ。だが私にも考えがある。賞金は今後もかけられ続けるんだ」
「ふうん、ま、そういう事なら仕方ねえ。頼りにしてるぜ」
こうして、魔獣の森に侵入した二魔のエージェントは森の外へ出た。
「ふう。またルークに親バカと言われてしまうかもな」
ラウドが見せた、今までにないくらいの魔力を感じてジードがそこに到着する。
「親父!!ヤツらをやったのか!?」
「ジード……。エージェントの二魔は引き下がっていったよ」
「な……?なんでだ!なんで何もしないで見てたんだよ!?ルークさんがやられたんだぞ!」
「おそらく、ヤツらはまた来る。ジード、それまで己を磨いていろ。それにこの賞金稼ぎ騒動が一旦終息したら、アバルが本腰上げて攻めてくる」