魔界動乱期
しかしデグタスも、周りの土を‘かまくら'状にして防ぐ。
ドスドスッ、と木槍が刺さるが、デグタスまでは届いていない。

「逃げ道はあるまい!」

ゼゴルは水刀で‘かまくら'を一刀両断した。

「何!?」

ゼゴルが驚いたのは、そこにデグタスの姿はなかったからである。
かと思うと、突然ゼゴルの足元からデグタスが現れ、鋭い爪をドリル状にしてゼゴルを捉える。
いち早く殺気に気付いたゼゴルも、横っ飛びでかわした。

「俺は土竜だからな!土中の移動は得意なのさ!」

そう言って、デグタスは再び土中に潜る。

「バカめ!!!」

ゼゴルは勢いよく両腕を上げ、そのまま地面に向かって両手をかざした。


メコッ、ボゴボゴッ!!


すると、数十メートルの広範囲に渡り、地面が陥没し出す。

「む、いかん!」

土中で激しい圧力を感じたデグタスは、必死に陥没の範囲外へと脱出を図る。
デグタスはなんとか逃げ出し土中から這い上がったが、デグタスは全身を損傷し、血だらけの状態であった。

「くっ、こいつは…‘水'と‘木'の属性かと思ったが、そうじゃねえ…」

「俺の能力に気付いたか、土竜よ!」

「‘水'と……‘重力'だ…!!」
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