魔界動乱期
森の入口付近―
「この入口は集団には向かねえ。そっと入って前回の賞金首狩りの続きをするか」
「そうだなケトス。この混乱に乗じれば、ラウドも簡単には我々を発見出来まい」
戦争が始まってしばらくしたとき、悪夢が再び魔獣の森へ舞い降りた。
エージェントのウラノスとケトスである。
戦争の混乱に乗じて大量の賞金首狩りを狙っていたこの二魔だが、その襲来を最初から待ち構えていた男がいた。
「待ってたぜ、お前ら」
銀狼・ルークである。
ルークはただ、借りを返すためだけにエージェントの二魔を待っていたわけではない。
この二魔に自由に賞金首狩りをさせては、貴重な森の戦力が削がれてしまう事は避けねばならなかった。
「飛んで火に入る夏の虫ってのは、まさにこの事だな。てめえの力はもう把握してんだよ。早速八千万の賞金頂きだ!」
ケトスは一瞬にして八本の魔力矢を作り出し、ルークに向けて放った。
「芸がねえ……!!」
対してルークは自分の回りに風を発生させる。
「芸がねえのはてめえだ!その防御は意味がねえんだよ!」
しかし風の渦の中に飛び込んだ全ての矢がグニャッとねじ曲げられ、弾け飛んだ。
「なんだと!?」
ルークは風の渦巻く方向を複雑に対流させ、飛び込んできた矢を押し潰したのだ。
言い換えれば、風により高重力を発生させたという事になる。
「バ、バカな……!あいつの能力は風だけなはずだろ!」
この魔界の常識を覆す能力を目の当たりにしたウラノスは、過去の伝説的な魔族の名を口にする。
「こ、これはまるで‘ギルシャスの風神’……、バルザベルク!」
「この入口は集団には向かねえ。そっと入って前回の賞金首狩りの続きをするか」
「そうだなケトス。この混乱に乗じれば、ラウドも簡単には我々を発見出来まい」
戦争が始まってしばらくしたとき、悪夢が再び魔獣の森へ舞い降りた。
エージェントのウラノスとケトスである。
戦争の混乱に乗じて大量の賞金首狩りを狙っていたこの二魔だが、その襲来を最初から待ち構えていた男がいた。
「待ってたぜ、お前ら」
銀狼・ルークである。
ルークはただ、借りを返すためだけにエージェントの二魔を待っていたわけではない。
この二魔に自由に賞金首狩りをさせては、貴重な森の戦力が削がれてしまう事は避けねばならなかった。
「飛んで火に入る夏の虫ってのは、まさにこの事だな。てめえの力はもう把握してんだよ。早速八千万の賞金頂きだ!」
ケトスは一瞬にして八本の魔力矢を作り出し、ルークに向けて放った。
「芸がねえ……!!」
対してルークは自分の回りに風を発生させる。
「芸がねえのはてめえだ!その防御は意味がねえんだよ!」
しかし風の渦の中に飛び込んだ全ての矢がグニャッとねじ曲げられ、弾け飛んだ。
「なんだと!?」
ルークは風の渦巻く方向を複雑に対流させ、飛び込んできた矢を押し潰したのだ。
言い換えれば、風により高重力を発生させたという事になる。
「バ、バカな……!あいつの能力は風だけなはずだろ!」
この魔界の常識を覆す能力を目の当たりにしたウラノスは、過去の伝説的な魔族の名を口にする。
「こ、これはまるで‘ギルシャスの風神’……、バルザベルク!」