魔界動乱期
空中でウラノスを待ち受けていたのは、静かなる怒りを内に秘め、闘志を爆発させたジード。
「ウラノス!!」
ケトスがウラノスのもとへ駆け寄る。
ウラノスは息はあるものの、意識はなかった。
「な、なんて一撃だ……。ウラノスはあの瞬間、しっかりと氷のシールドを張っていたのに」
「あいつは英雄の息子だからな」
「ルーク、貴様……!」
ケトスが魔具を握り込んだ瞬間、
「うっ……」
ルークが視界から消え、ケトスの喉元へ牙を立てていた。
そしてケトスが硬直したまま、ルークはスッと牙を外す。
「そいつを担いでさっさと森を出な。ジード、次はアバルだ!」
「そうだね」
ワナワナと屈辱にうち震えるケトスを横目に見ながら、ルークとジードは対アバルへと意識を傾ける。
しかしこのとき、完全に戦意を失っていたと思っていたケトスは、密かにこのときを待っていた。
握り込んだ魔具に、静かに魔力を込め始める。
二魔に気取られぬよう、静かに素早く。
柄から刃が生まれ、それは魔力を消してルークの背に向かって伸びてゆく。
極めて高レベルの‘静’の魔法。
ブチィィ!!
「あ……がっ……!」
「ウラノス!!」
ケトスがウラノスのもとへ駆け寄る。
ウラノスは息はあるものの、意識はなかった。
「な、なんて一撃だ……。ウラノスはあの瞬間、しっかりと氷のシールドを張っていたのに」
「あいつは英雄の息子だからな」
「ルーク、貴様……!」
ケトスが魔具を握り込んだ瞬間、
「うっ……」
ルークが視界から消え、ケトスの喉元へ牙を立てていた。
そしてケトスが硬直したまま、ルークはスッと牙を外す。
「そいつを担いでさっさと森を出な。ジード、次はアバルだ!」
「そうだね」
ワナワナと屈辱にうち震えるケトスを横目に見ながら、ルークとジードは対アバルへと意識を傾ける。
しかしこのとき、完全に戦意を失っていたと思っていたケトスは、密かにこのときを待っていた。
握り込んだ魔具に、静かに魔力を込め始める。
二魔に気取られぬよう、静かに素早く。
柄から刃が生まれ、それは魔力を消してルークの背に向かって伸びてゆく。
極めて高レベルの‘静’の魔法。
ブチィィ!!
「あ……がっ……!」