魔界動乱期
「うぉっ……!!」

瞬間、溢れんばかりの魔力がジード達を貫いた。

「これは……、親父クラス!?いや、そんなバカな事は……!?」

「ふっ、そう身構えるな。食料を探しにきただけだ。ここのところ、餌場が荒らされていてな」

赤毛の魔獣はそう言って静かに歩き去った。
ジード達は動く事も出来ず、魔獣が見えなくなるまでその姿を凝視していた。

「ニコ、あいつ、何者だ?」

「わ、わからん。しかし、色んな種族が複合したような異形の姿だったな」

「複合……、キメラ?まさか、あいつがディナスなのか!?」

「それにしては敵意がなかったが。し、しかし、あいつがディナスだったとしたら、森を支配するというのもわからなくもない……」
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