魔界動乱期
「そんなロジに戦いを挑もうっていうオメエらの戦力はどうなんだ?」

「現在魔穿義団は十一魔ですが、戦力はいちグレイド並と言えます。一番下っ端でまだ見習い状態の私が言っても説得力がないかもしれませんがね」

「オメエが一番下っ端?」

この事実にデグタスは少なからず驚いた。
先程見たシンの実力は、グレイドの上位師団長クラスとも言われるデグタスの戦闘力に近いものを感じていたからだ。

「でもよ、魔界を危機に陥れる可能性があるってだけでゾーマやロジの魔族を消す、てことに、ラウドは賛同するわけねえよ」

「そうでしょうね。だが、真に魔界を危機に陥れるのはゾーマではない。ここから先は竜の使命と密接に繋がってきます」

「俺達の使命に?」

「竜の使命は神の意思。闘竜の長兄・エルドラゴが昔から一大国家を築いているのも、三男のフレアがロイドの側近として仕えているのも、そしてデグタス、あなたがラウドさんを守るために傍にいるのも、全ては神の意思。つまりラウドさんは神にとって守られなければならない魔族。神に選ばれし魔族なのです」

「そりゃあ、魔界を守る事につながってんのか?」

「はい」

「じゃあ、ロイドも神に選ばれし魔族ってことか」
< 198 / 432 >

この作品をシェア

pagetop