魔界動乱期
「ば、化物め……」

魔力を使い果たしたディナスは力なく膝をつく。
そのとき、既にネロは三発分の魔光砲を作り出していた。

「ちぃっ!!」

考えるより早く、デグタスはディナスを庇うように前に立ち、大地のシールドを張り巡らせようとしていた。
おそらくそんな防御は、あの攻撃の前には無意味。
しかもデグタスは、暗軍との戦いで重傷を負っているのだ。

それでもデグタスは、かつて森を支配しようとしたディナスを守る事を選択した。
今のディナスの、光の意志を感じ取ったのだろう。

「バカな事すんじゃねえ、デグタス!!」

「この壁は目眩ましだ!!地面に潜るぞ!!」

デグタスはシンの場所にも地中深く穴を空けていた。

「そ、そういうことか!……うぐっ!」

しかしその場を動こうとしたディナスは、それまでのダメージで立ち上がる事すら出来ない。

「ま、まじぃ!!」

デグタスがディナスの手をとった瞬間、ネロの魔光砲が放たれた。
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