魔界動乱期
影が返り討ちにあった一件でギドラスの戦闘意欲とは裏腹に、リマの王ガウザーは、ギルシャスとの戦争を見合わせる意向を示した。
しかしそれが逆に、ギドラスの狂気を増幅させていくのである。
その頃ギドラスは、欲望のままにゼモルを食い荒らしていた。
そして収まりきらない狂気は禁断の一線を越える。
ギルシャス第六師団の領地―
「俺に傷を負わせるとは……。さすがにギルシャスの師団長だ」
そう言葉を発するギドラスの目の前には、ギルシャス第六師団長のマルクスが、やや離れた位置に副師団長のモロゾフが倒れていた。
「ガウザー王の立場もあるからよ、殺すことは控えてたんだが……。あの師団長は危険だな」
ギドラスの怒りを含んだ瞳がマルクスを捉える。
「止めを差しておくぜ!」
そして雷撃を発するまさにその直前、マルクスの姿が忽然と姿を消した。
「む、ヤツが消えた?」
辺りを見回すギドラス。
「このギルシャスで、よくもここまで派手に暴れたもんだ」
背後に気配を感じたギドラスが振り向くと、今までに出会った事がない位の強大な魔力を持つ魔族が立っていた。
「貴様…、俺の邪魔をすると死ぬ事になるぞ」
獲物をかすめ取られたギドラスが怒声を発する。
「死ぬ事になる…だと?お前こそ只で済むと思うな!」
ギドラスを越える怒気がゴゴゴゴ…と大地を揺るがす。
「ぬうっ…!」
「俺の仲間を傷付けるヤツは……、‘風のバルザ’が相手になるぜ!!」
現れたのはバルザベルク。
ギルシャスの‘風神’が、雷獣退治のために隣の領地に舞い降りたのだ。
しかしそれが逆に、ギドラスの狂気を増幅させていくのである。
その頃ギドラスは、欲望のままにゼモルを食い荒らしていた。
そして収まりきらない狂気は禁断の一線を越える。
ギルシャス第六師団の領地―
「俺に傷を負わせるとは……。さすがにギルシャスの師団長だ」
そう言葉を発するギドラスの目の前には、ギルシャス第六師団長のマルクスが、やや離れた位置に副師団長のモロゾフが倒れていた。
「ガウザー王の立場もあるからよ、殺すことは控えてたんだが……。あの師団長は危険だな」
ギドラスの怒りを含んだ瞳がマルクスを捉える。
「止めを差しておくぜ!」
そして雷撃を発するまさにその直前、マルクスの姿が忽然と姿を消した。
「む、ヤツが消えた?」
辺りを見回すギドラス。
「このギルシャスで、よくもここまで派手に暴れたもんだ」
背後に気配を感じたギドラスが振り向くと、今までに出会った事がない位の強大な魔力を持つ魔族が立っていた。
「貴様…、俺の邪魔をすると死ぬ事になるぞ」
獲物をかすめ取られたギドラスが怒声を発する。
「死ぬ事になる…だと?お前こそ只で済むと思うな!」
ギドラスを越える怒気がゴゴゴゴ…と大地を揺るがす。
「ぬうっ…!」
「俺の仲間を傷付けるヤツは……、‘風のバルザ’が相手になるぜ!!」
現れたのはバルザベルク。
ギルシャスの‘風神’が、雷獣退治のために隣の領地に舞い降りたのだ。