魔界動乱期
「師団長は辛いよなあ。弱いところを見せられなくてよお」
「な、何を言ってる」
「今の俺はさあ、副師団長バルザじゃなくて、ラウドの親友のバルザだぜ?」
バルザベルクはラウドの肩に手を置いた。
「お前の情けねえ姿を何度見てると思ってんだよ」
「バルザ……」
「親友の前でくらいはさ、肩書き外していいんだぜ」
「バル…ザ……」
ラウドは泣いた。
二ヶ月間溜め込んでいた想いを一気に吐き出すかのように。
「ラウド、俺は何があってもいなくならねえよ。ま、男に傍にいられてもむさ苦しいだけだけどな!」
太陽が沈み、月は去った。
しかし悲しみに暮れるラウドには、何があっても揺るがない親友の存在が残っていたのだ。
温かい風がラウドを包み込んだ。
………………………
「親父、おい、親父!何ぼーっとしてんだよ?」
「ん?あ、ああ。親友の存在は大事だとな」
‘俺は何があってもいなくならねえよ’
「バルザ。お前のあの言葉は、本当だったんだな……」
そして過去に決別し、もうこの世から姿を消していたとも思われた妖狐も、偶然同じ森に移り住んでいる。
永遠の平行線と思われたその道は、ジードという存在を介して確かに交わったのだ。
「近づいたのか、更に離れるのかわからんがな……」
「俺がアバルに旅立つから感傷的になってんのか?安心しろよ親父。俺は絶対に戻ってくるからよ!」
新たな愛すべき存在の、懐かしさをも感じさせる力強い言葉に、ラウドは優しく微笑んだ。
「な、何を言ってる」
「今の俺はさあ、副師団長バルザじゃなくて、ラウドの親友のバルザだぜ?」
バルザベルクはラウドの肩に手を置いた。
「お前の情けねえ姿を何度見てると思ってんだよ」
「バルザ……」
「親友の前でくらいはさ、肩書き外していいんだぜ」
「バル…ザ……」
ラウドは泣いた。
二ヶ月間溜め込んでいた想いを一気に吐き出すかのように。
「ラウド、俺は何があってもいなくならねえよ。ま、男に傍にいられてもむさ苦しいだけだけどな!」
太陽が沈み、月は去った。
しかし悲しみに暮れるラウドには、何があっても揺るがない親友の存在が残っていたのだ。
温かい風がラウドを包み込んだ。
………………………
「親父、おい、親父!何ぼーっとしてんだよ?」
「ん?あ、ああ。親友の存在は大事だとな」
‘俺は何があってもいなくならねえよ’
「バルザ。お前のあの言葉は、本当だったんだな……」
そして過去に決別し、もうこの世から姿を消していたとも思われた妖狐も、偶然同じ森に移り住んでいる。
永遠の平行線と思われたその道は、ジードという存在を介して確かに交わったのだ。
「近づいたのか、更に離れるのかわからんがな……」
「俺がアバルに旅立つから感傷的になってんのか?安心しろよ親父。俺は絶対に戻ってくるからよ!」
新たな愛すべき存在の、懐かしさをも感じさせる力強い言葉に、ラウドは優しく微笑んだ。