魔界動乱期
三十分後。
「ジード……、お前、よほど腹減ってたんだな」
食卓に並んだ料理は全てがなくなっていた。
八割はジードが平らげたものだ。
「いやあ、こんな美味いもん初めて食べたよ!親父は贅沢するときにたまに塩を使うくらいだったからさ」
「口に合って良かったわ。こんなに美味しそうに食べてくれて、作り甲斐あったわよ」
クーリンはジードの満足そうな顔が嬉しくてたまらない、といった様子だ。
「ジードよお、首都勤務目指すってたけど、なんで首都なんだ?基本的にいきなり首都勤務は厳しいぞ」
「え?そうなのかい?」
「まあ知らないのも無理ないか。よし、参考までに色々教えてやるよ」
フォルツは大き目の白い用紙とペンを持ち出し、簡易的な南の大陸の地図を描く。
大陸の右端、つまり東端に縦に大きく伸びる国、その隣にもっと大きな国を描いた。
「この端っこのでかい領地がアバルだ。百ゼモルちょいの領土がある。で、隣のでかいのがジールってメディオだ。ここは約百三十ゼモル。ここの軍団長はソシエンテっていう女性魔族でな。召喚魔法を得意としているんだ」
「召喚魔法?」
「噂じゃあ、昔の魔族の魂を呼び出して自分に憑依させるってよ。どこまでのレベルの魂を呼び出せるか知らんが、場合によっては厄介きわまりない」
さらにフォルツは、南の大陸の主要国を描き出す。
ジールの左側の領地は四百ものゼモルが乱れる、通称‘ゼモル集合地帯’。
それを挟んでメディオのガルダナス、グレイドのフロティア。
ゼモル集合地帯の北側には、横に伸びるメディオの齋(さい)、南にも同じように横に伸びるガジェリア。
つまり、この大陸の中央部にゼモル集合地帯があり、それを取り囲むようにして五国のメディオとフロティアが並んでいるのだ。
「ジード……、お前、よほど腹減ってたんだな」
食卓に並んだ料理は全てがなくなっていた。
八割はジードが平らげたものだ。
「いやあ、こんな美味いもん初めて食べたよ!親父は贅沢するときにたまに塩を使うくらいだったからさ」
「口に合って良かったわ。こんなに美味しそうに食べてくれて、作り甲斐あったわよ」
クーリンはジードの満足そうな顔が嬉しくてたまらない、といった様子だ。
「ジードよお、首都勤務目指すってたけど、なんで首都なんだ?基本的にいきなり首都勤務は厳しいぞ」
「え?そうなのかい?」
「まあ知らないのも無理ないか。よし、参考までに色々教えてやるよ」
フォルツは大き目の白い用紙とペンを持ち出し、簡易的な南の大陸の地図を描く。
大陸の右端、つまり東端に縦に大きく伸びる国、その隣にもっと大きな国を描いた。
「この端っこのでかい領地がアバルだ。百ゼモルちょいの領土がある。で、隣のでかいのがジールってメディオだ。ここは約百三十ゼモル。ここの軍団長はソシエンテっていう女性魔族でな。召喚魔法を得意としているんだ」
「召喚魔法?」
「噂じゃあ、昔の魔族の魂を呼び出して自分に憑依させるってよ。どこまでのレベルの魂を呼び出せるか知らんが、場合によっては厄介きわまりない」
さらにフォルツは、南の大陸の主要国を描き出す。
ジールの左側の領地は四百ものゼモルが乱れる、通称‘ゼモル集合地帯’。
それを挟んでメディオのガルダナス、グレイドのフロティア。
ゼモル集合地帯の北側には、横に伸びるメディオの齋(さい)、南にも同じように横に伸びるガジェリア。
つまり、この大陸の中央部にゼモル集合地帯があり、それを取り囲むようにして五国のメディオとフロティアが並んでいるのだ。