魔界動乱期
三魔が分かれた後、ジードは直前に感じた爆発的な魔力が発生した場所へと向かっていた。
「ここら辺のはずだ。だが、魔族の気配は感じない。……ん?小さな魔力の持ち主が移動している。魔力を抑えているのか?ケルベロスかもしれん!」
ジードがその魔力を追うと、やがて少し先にヒューズの後ろ姿が見えてきた。
体格は良い方で、ボサボサの金髪が肩あたりまで伸びている。
「おい!おーい、ちょっと待ってくれ!」
「あん?なんだ、小僧。よくここまで来れたな」
「え……と、お前、ケルベロスか?」
「おぅい!俺の頭、三つに見えるか!?こんなハンサムをあんな化物と間違えんじゃねえよ!」
このちょっとバカッぽい魔族を、ジードは少し観察した。
もしかしたらケルベロスは変身能力を持っているかもしれないからだ。
「嘘はついてなさそうだな。ねえおっさん、どこからこの森に入ってきたの?」
「あ?あっちからだよ」
その金髪の魔族が指差したのは、森の入口。
もっとも魔獣と出会うであろう経路を、この男は通ってきたのだという。
「あっちから?だとしたら、魔獣と沢山出くわしたろう?よく無傷でいられたな」
「ああ、俺は魔獣には一魔たりとも会ってねえよ」
「一魔たりとも!?嘘だろ!?どうやって……」
「魔獣ってのはヒューズに比べて直感が働くらしいな。本能的に危険を感じ取ったんだろうな。こうやって来たからよ」
すると金髪の魔力が爆発的に膨れ上がった。
「な、なん…だ!このバカでかい魔力!!」
先程森の外から感じた魔力に間違いない。
そしておそらくこの魔力なら魔獣も逃げ出すだろう、とジードは確信した。
なぜなら、その魔力はとてつもなく巨大なだけではなかったからだ。
ジードもその場から逃げ出したくなるくらい、狂暴なオーラをあからさまに押し出していた。
「ここら辺のはずだ。だが、魔族の気配は感じない。……ん?小さな魔力の持ち主が移動している。魔力を抑えているのか?ケルベロスかもしれん!」
ジードがその魔力を追うと、やがて少し先にヒューズの後ろ姿が見えてきた。
体格は良い方で、ボサボサの金髪が肩あたりまで伸びている。
「おい!おーい、ちょっと待ってくれ!」
「あん?なんだ、小僧。よくここまで来れたな」
「え……と、お前、ケルベロスか?」
「おぅい!俺の頭、三つに見えるか!?こんなハンサムをあんな化物と間違えんじゃねえよ!」
このちょっとバカッぽい魔族を、ジードは少し観察した。
もしかしたらケルベロスは変身能力を持っているかもしれないからだ。
「嘘はついてなさそうだな。ねえおっさん、どこからこの森に入ってきたの?」
「あ?あっちからだよ」
その金髪の魔族が指差したのは、森の入口。
もっとも魔獣と出会うであろう経路を、この男は通ってきたのだという。
「あっちから?だとしたら、魔獣と沢山出くわしたろう?よく無傷でいられたな」
「ああ、俺は魔獣には一魔たりとも会ってねえよ」
「一魔たりとも!?嘘だろ!?どうやって……」
「魔獣ってのはヒューズに比べて直感が働くらしいな。本能的に危険を感じ取ったんだろうな。こうやって来たからよ」
すると金髪の魔力が爆発的に膨れ上がった。
「な、なん…だ!このバカでかい魔力!!」
先程森の外から感じた魔力に間違いない。
そしておそらくこの魔力なら魔獣も逃げ出すだろう、とジードは確信した。
なぜなら、その魔力はとてつもなく巨大なだけではなかったからだ。
ジードもその場から逃げ出したくなるくらい、狂暴なオーラをあからさまに押し出していた。