魔界動乱期
「な、何を言っているデグタス!……しかし、ジードは私の心をしっかり受け継いでいるようだな。さすが我が息子だ!うむ」
「そ、そうだな……」
ラウドの緩みきった笑顔を見て、デグタスは呆れるように相槌を打つ。
しかしその後、ラウドは神妙な顔付きをした。
「どうした?」
「うむ。ジードがケルベロスを倒したらしい」
「なんだ、良い事じゃねえか。だいぶ苦労したんだろ?重い怪我でもしたのか?」
「いや。無傷の勝利だったそうだ」
この言葉にデグタスも驚く。
「無傷?あのケルベロスだよな?」
「ジードが言うには、白い光のような魔力を発して倒したそうだ。デグタス……。白い光のような魔力と聞いて、何か思い出さないか?」
このとき、二魔の頭の中には共通の魔族の姿が浮かび上がった。
それはあまりにも神秘的な魔力だったため、神族かとも見紛う程の……かつての敵の姿。
「ロイド……か?」
デグタスの答えにラウドが静かに頷く。
「八十年戦争を終結させたに等しい、ロイドのあの力……。あの魔力を纏ったロイドと戦っているとき、私は不思議とこう思った」
「え?」
「この男と戦っている私が、悪なのではないか、とな」
聖なる魔力とでもいうような力を持つロイドに対し、ラウドは戦いながらそう思ったという。
その力はあまりにも強大で、あまりにも神々しかったのだ。
「そ、そうだな……」
ラウドの緩みきった笑顔を見て、デグタスは呆れるように相槌を打つ。
しかしその後、ラウドは神妙な顔付きをした。
「どうした?」
「うむ。ジードがケルベロスを倒したらしい」
「なんだ、良い事じゃねえか。だいぶ苦労したんだろ?重い怪我でもしたのか?」
「いや。無傷の勝利だったそうだ」
この言葉にデグタスも驚く。
「無傷?あのケルベロスだよな?」
「ジードが言うには、白い光のような魔力を発して倒したそうだ。デグタス……。白い光のような魔力と聞いて、何か思い出さないか?」
このとき、二魔の頭の中には共通の魔族の姿が浮かび上がった。
それはあまりにも神秘的な魔力だったため、神族かとも見紛う程の……かつての敵の姿。
「ロイド……か?」
デグタスの答えにラウドが静かに頷く。
「八十年戦争を終結させたに等しい、ロイドのあの力……。あの魔力を纏ったロイドと戦っているとき、私は不思議とこう思った」
「え?」
「この男と戦っている私が、悪なのではないか、とな」
聖なる魔力とでもいうような力を持つロイドに対し、ラウドは戦いながらそう思ったという。
その力はあまりにも強大で、あまりにも神々しかったのだ。