魔界動乱期
ジードが首都アバルに近付くと、巨大な防壁で囲まれた街が見えてきた。
「あれが首都に違いない!あの様子なら、セレナは中には入れないだろう。しかし、このアバルという街から感じられるものは……」
オンタナやセグルスツからは、賑やかな空気がそこかしこに溢れていた。
しかしこの首都アバルは、商業都市ではなく軍用都市だからか、何か重苦しい空気が漂っているように、ジードには思えた。
ジードが入口に着くと、そこには門番と揉めている魔族の姿があった。
「なんだよ、他の街は普通に通してくれたぜ?ほら、俺の他にも通ってるじゃねえか!なんで俺だけ駄目なんだよ!」
「国外所属の魔族は、紹介状か、国内の者と同伴でないとお通し出来ません」
ジードはその魔族がすぐに誰だかわかった。
「リョーザ!」
金髪のボサボサ髪に、粗暴な言葉遣い。
セル山脈で出会ったリョーザである。
「おお、ジードじゃねえか!お前、ちょうどいいとこに来たぜ!この堅物門番説得してくれよ!」
門番がその名前に反応してジードに目をやると、途端にその表情が変わる。
「ジードって……、ダイフォンを防いだり、セル山脈のケルベロスを倒したあの?おお、ニュースで見た顔だ!通行証を見せてもらえますか?」
ジードはフォルツにもらった通行証を門番に見せる。
「やはりあの方のお知り合いなのですね。どうぞ、お通りください」
ジードについて、ちゃっかり入ろうとしたリョーザは、門番に止められる。
「あなたは駄目」
「なんでだよお!知り合いだからいいんじゃねえのか!?」
「ジードはこの国の魔族ではないからね」
「わ、悪いなリョーザ。友達作って入れよ。じゃあな」
「おい、ジードぉぉ!」
「あれが首都に違いない!あの様子なら、セレナは中には入れないだろう。しかし、このアバルという街から感じられるものは……」
オンタナやセグルスツからは、賑やかな空気がそこかしこに溢れていた。
しかしこの首都アバルは、商業都市ではなく軍用都市だからか、何か重苦しい空気が漂っているように、ジードには思えた。
ジードが入口に着くと、そこには門番と揉めている魔族の姿があった。
「なんだよ、他の街は普通に通してくれたぜ?ほら、俺の他にも通ってるじゃねえか!なんで俺だけ駄目なんだよ!」
「国外所属の魔族は、紹介状か、国内の者と同伴でないとお通し出来ません」
ジードはその魔族がすぐに誰だかわかった。
「リョーザ!」
金髪のボサボサ髪に、粗暴な言葉遣い。
セル山脈で出会ったリョーザである。
「おお、ジードじゃねえか!お前、ちょうどいいとこに来たぜ!この堅物門番説得してくれよ!」
門番がその名前に反応してジードに目をやると、途端にその表情が変わる。
「ジードって……、ダイフォンを防いだり、セル山脈のケルベロスを倒したあの?おお、ニュースで見た顔だ!通行証を見せてもらえますか?」
ジードはフォルツにもらった通行証を門番に見せる。
「やはりあの方のお知り合いなのですね。どうぞ、お通りください」
ジードについて、ちゃっかり入ろうとしたリョーザは、門番に止められる。
「あなたは駄目」
「なんでだよお!知り合いだからいいんじゃねえのか!?」
「ジードはこの国の魔族ではないからね」
「わ、悪いなリョーザ。友達作って入れよ。じゃあな」
「おい、ジードぉぉ!」