魔界動乱期
「あの魔族は……?」
女性が護衛の魔族に訊ねる。
「巷で噂のジードですよ。ダイフォンからオンタナを救ったり、ケルベロスを倒してセル山脈に平和を取り戻したり。知りませんか、レン殿?」
「知らない。あたしは世間の事なんか興味ないから……」
その女性はゾーマのレン。
「ジードか。なんだか、ロイドさんに雰囲気がすごく似た魔族……」
ジードとレンの出会いは、互いに何か心にその存在を刻み込むような、不思議な印象を持ったのであった。
ジードはひたすら大通りを真っ直ぐに歩いていると、目に入るものは鎧を着た魔族ばかり。
「基本的に国軍の街だな、ここは。これだけ厳重ならセレナも下手な事は出来ないだろう」
気にしていたセレナの件に関してひとまずは安心したジードであったが、ここに来た大きな目的を果たすため、城へと向かう。
大通りを更に進むと大きな城、アバル城が目の前にそびえ立つ。
「これが首都の城か。すごいな。……入口は、あの兵士がいるところか」
城門を守る兵士にジードが近寄る。
「お、君はジードだね?噂は聞いてるよ。国軍志望なんだろ?君ならきっと大歓迎だと思う。ちょっと取り次いで……あ!お疲れ様です!」
城兵が上へ取り次ごうとしたそのとき、中から黄金の鎧を装備した魔族が姿を現した。
水牛のような二本の角がついた兜、身長は高く、鋭い切れ長の目が突き刺すようにジードを睨み付ける。
「黄金の鎧?こいつが軍団長のヅェシテなのか?」
ジードはその視線に怯むことなく、その魔族を凝視した。
「私はアバル軍総司令官のヅェシテだ。お前がジードか。入軍希望なら残念だが他を当たってくれ」
女性が護衛の魔族に訊ねる。
「巷で噂のジードですよ。ダイフォンからオンタナを救ったり、ケルベロスを倒してセル山脈に平和を取り戻したり。知りませんか、レン殿?」
「知らない。あたしは世間の事なんか興味ないから……」
その女性はゾーマのレン。
「ジードか。なんだか、ロイドさんに雰囲気がすごく似た魔族……」
ジードとレンの出会いは、互いに何か心にその存在を刻み込むような、不思議な印象を持ったのであった。
ジードはひたすら大通りを真っ直ぐに歩いていると、目に入るものは鎧を着た魔族ばかり。
「基本的に国軍の街だな、ここは。これだけ厳重ならセレナも下手な事は出来ないだろう」
気にしていたセレナの件に関してひとまずは安心したジードであったが、ここに来た大きな目的を果たすため、城へと向かう。
大通りを更に進むと大きな城、アバル城が目の前にそびえ立つ。
「これが首都の城か。すごいな。……入口は、あの兵士がいるところか」
城門を守る兵士にジードが近寄る。
「お、君はジードだね?噂は聞いてるよ。国軍志望なんだろ?君ならきっと大歓迎だと思う。ちょっと取り次いで……あ!お疲れ様です!」
城兵が上へ取り次ごうとしたそのとき、中から黄金の鎧を装備した魔族が姿を現した。
水牛のような二本の角がついた兜、身長は高く、鋭い切れ長の目が突き刺すようにジードを睨み付ける。
「黄金の鎧?こいつが軍団長のヅェシテなのか?」
ジードはその視線に怯むことなく、その魔族を凝視した。
「私はアバル軍総司令官のヅェシテだ。お前がジードか。入軍希望なら残念だが他を当たってくれ」