魔界動乱期
ガルバイルは籠の中の鳥と表現したように、レンの心には間違いなく影が存在するはずだ。
ジードはそんなレンが気になって仕方がなかった。
書庫に入ると、ジードは魔神に関係ありそうな書物をひたすら探す。
レンは自分の書物そっちのけでジードの姿を見ている。
「歴史好きなの?」
「え?なんで?」
レンの問いかけにジードは手を止めた。
「だって、すごく一生懸命。アバルに来たのも、何かを学ぶためなのかなって」
ジードは少し答えに迷う。
本当の事など話せるわけもない。
「そうだな……。歴史を学んで、今の自分に活かしたいってとこ」
「そっか。未来があるんだね。希望があって……うらやましい」
「また、あの目……」
レンの目に光はなかった。
未来や希望という言葉は、籠の中の鳥であるレンにとっては眩しいものなのだろう。
レンの事情はわらないが、その事だけはジードにも理解出来た。
「レンは、なんでアバルにいるんだ?」
「あたし?……あたしは、その……。あたし……!」
「?」
レンは何かを言おうとして言葉を飲み込んだ。
レンは自分の鼓動が早くなるのを抑えきれずに、下を向く。
彗星のように現れ、あっという間にアバルで有名になったジード。
しかもレンには、ジードからロイドに酷似した雰囲気を感じている。
不可能を可能にする魔族、ロイドの。
もしかしたらジードという魔族は、レンを救うために舞い降りた神の遣いなのではないか。
そう思うと、レンの鼓動は更に高鳴り、早くなった。
「ジード、あたしね……、あたし本当は!……そんな都合の良い解釈……ないよね」
ジードはそんなレンが気になって仕方がなかった。
書庫に入ると、ジードは魔神に関係ありそうな書物をひたすら探す。
レンは自分の書物そっちのけでジードの姿を見ている。
「歴史好きなの?」
「え?なんで?」
レンの問いかけにジードは手を止めた。
「だって、すごく一生懸命。アバルに来たのも、何かを学ぶためなのかなって」
ジードは少し答えに迷う。
本当の事など話せるわけもない。
「そうだな……。歴史を学んで、今の自分に活かしたいってとこ」
「そっか。未来があるんだね。希望があって……うらやましい」
「また、あの目……」
レンの目に光はなかった。
未来や希望という言葉は、籠の中の鳥であるレンにとっては眩しいものなのだろう。
レンの事情はわらないが、その事だけはジードにも理解出来た。
「レンは、なんでアバルにいるんだ?」
「あたし?……あたしは、その……。あたし……!」
「?」
レンは何かを言おうとして言葉を飲み込んだ。
レンは自分の鼓動が早くなるのを抑えきれずに、下を向く。
彗星のように現れ、あっという間にアバルで有名になったジード。
しかもレンには、ジードからロイドに酷似した雰囲気を感じている。
不可能を可能にする魔族、ロイドの。
もしかしたらジードという魔族は、レンを救うために舞い降りた神の遣いなのではないか。
そう思うと、レンの鼓動は更に高鳴り、早くなった。
「ジード、あたしね……、あたし本当は!……そんな都合の良い解釈……ないよね」