魔界動乱期
ルークは、ジードがウルフ軍に加わるという形でジード参戦を承諾する。
それは自分の管理下にジードを置くことで、ジードを守るためである。
親友であるラウドの息子であり、ラウドの生きる希望であるジードは絶対に殺させはしない。
ルークはそう考えていた。

両軍の戦争準備は着々と整い、対決の日はいつ訪れてもおかしくないという状況になっていた。

そんな中、ディナスはある魔獣のエリアへ訪れる。

「こんなところで何をくすぶっていやがる?」

ディナスが訪れたエリアには、その魔獣がゆったりと佇んでいた。
背中の毛が赤い、ジード達が遭遇した‘赤毛の魔獣’である。

「ディナスか。俺を引き込もうとしても無駄だぞ。戦いに興味はない」

「そうではないだろう?」

「なに?」

「お前は元いた国でひとつの幹部グループを皆殺しにして、国を追放されたと聞いているぞ。違うか?フロティアの元幹部、赤麒麟の炎駒(えんく)よ!?」
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