魔界動乱期
吹き飛ばされたブルービズ達は、気絶する者、ダメージにもがき苦しむ者、そして岩肌に頭から激突し、息絶える者もいた。

「ギガンテス、貴様……!許さんぞ!!」

仲間の死を見て激昂したアーヴァンクの毛が逆立つ。
次の瞬間、両手の爪を合わせ青い炎と化したアーヴァンクの突撃が、ギガンテスの腹部に突き刺さった。

「うぐぉっ!!」

猛烈な勢いで吹っ飛ぶギガンテスの体は、木をなぎ倒し山肌の崖に激突した。
アーヴァンクはクルッと体を回転させ、地面に着地し、ギガンテスの腹部を見る。
アーヴァンクの思惑では、自分はギガンテスの体を貫くつもりだった。

「な、なんでだよ……」

ギガンテスの体には、傷ひとつついていなかったのだ。

「なかなか良い攻撃だったなあ、グガガカガ!」

これによりアーヴァンクは、自分の攻撃ではギガンテスの強靭な肉体にはダメージを与えられないと悟る。

「ちっ、残念ながら俺の攻撃ではお前の肉体は貫けねえらしい……」

観念したようにうなだれるアーヴァンク。

「じゃあ死ね」

ギガンテスの拳が、動かないアーヴァンクに狙いをすまして襲いかかった。

「お前の‘肉体’は、な!」

拳が直撃する瞬間、アーヴァンクの体がフッと移動する。
再びアーヴァンクは、ギガンテスの腹部に突進した。

「学習しないやつだ!」

しかし、アーヴァンクはギガンテスの腹部を蹴り、横に飛ぶ。
更にギガンテスに動きを捉えられぬよう木を蹴り、複雑に飛び回る。
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