魔界動乱期

一瞬ギガンテスが己の足元へ目をやると、右足のくるぶしの骨が、ドリルで削り取られたように欠けていたのだ。
それをやり遂げたのはアーヴァンク。

「へっ！たとえわずかだろうが、骨を削られりゃあ、効くだろ！？」

アーヴァンクは体に回転のひねりを加える事で、自らの体を青い弾丸と化し、ギガンテスの骨を削り取った。
鍛えられた肉体ではなく、骨に狙いを定めたのだ。

「信じていたぞ、アーヴァンク！」

セラトは体を旋回し、ギガンテスの左側に回り込む。
そして、その鋭く大きなくちばしをギガンテスの左目に突き刺した。

「うがああぁぁ！！」

「ヒートブレス！！」

目から顔の内部へと侵入したセラトの口から、高熱度の息吹が放たれる。
その息吹は眼球を溶かし、ギガンテスの脳をも溶解させた。


ズズゥゥン！


と地響きを上げて倒れ込むギガンテス。
アーヴァンクとの連係により、イグニ軍が大きな勝利を上げた。