魔界動乱期
「化物退治か?そりゃあ応援したいけどよ。残念ながら俺はお前を退治しに来たんだよ」

「君はお山の大将を気取っていた方がいい。そういえば、ここに来る前に、数魔のウルフと出くわしたな」

「なんだと……!?それで、そいつらをどうした?」

バジリスクの言葉を聞いたルークは、激しい怒気を身に纏った。
全身の毛を逆立て、睨み付ける。

「おお、怖い怖い。そいつらがどうなったかは、戻ってみればわかるよ。きっと動いていないだろうからね」

ザワッ……とルークの魔力が一気に膨らんだ瞬間、バジリスクはルークに向かって息を吹き掛けた。

「君も石像の仲間になれば……」

バキボキッ!

鈍い音が響き渡る。
バジリスクの視界から一瞬にしてルークが消え、気付いたときにはバジリスクの背後に移動していた。

怒りが沸点を越えたとき、ルークは神速の動きでバジリスクの喉元に牙を立てていた。
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