魔界動乱期
「ボス!!」

「ラルー、離れてろ」

「は、はい!」

しばらく様子を見ていると、ディナスがむくりと起き上がった。

「今までこの森で戦ったどんな魔獣よりも強烈だったぜ。ちっと本気出してもいいよなあ……」

ゴゴゴゴ……という、地響きのような音とともに、膨大な魔力が溢れ出る。
その魔力は果てしなく、際限なく上昇してゆく。

「こ、これは……こんな魔力……」

ジードは必死に足を踏ん張った。
そうでないと、魔力のプレッシャーだけで吹き飛ばされてしまいそうだったからだ。

「ちょっとは楽しませてくれよ……」


一方、ニコは……

「ラウドさん!!ジードがディナスのところに!!」

ルークやガイが陣営を離れている今、ニコは‘森の王’を頼るしかなかった。

「ジードが!?」

「ええ!ジードは怒りとともにすごい力を発揮するんです!でも、それが逆にディナスの本気を引き出してしまっているに違いない!」

ディナスの膨大な魔力はラウドにも感じられていた。

「まさかその相手がジードだとは……。ジード、今行くぞ!!」

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