魔界動乱期
「では、モルキを始末しないと終わらんわけか?」
ウィドーがギラリと鋭い眼光をする。
「ほっほっほ、それは勘弁してくれ」
全員が声の方向に目をやると、木の枝からモルキが顔を出していた。
「モルキ!」
「儂は森の統一など考えとらんよ。だが、そろそろこの森を出てどこぞの国で頭を張ろうかと思っているだけじゃ」
「森を出るだと?おいおい、魔界は広いぜ。この森で暮らしてた方が身のためだぞ」
「ルークよ、お主はなぜその軍勢を築いた?」
「森の秩序を守るためだ」
「この弱肉強食の森で‘秩序’を口にするとはお前さんらしいな」
毎日生存競争や争いが絶えない魔獣の森。ここで言うルークの秩序とは、強さに飢え、強さに真摯である事。
そのために自エリアを拡大する事もあるだろう。
しかしディナスは強さではなく、支配に飢えた。アバルへの復讐という自分の憎悪のために、森の魔獣を利用しようとしたのだ。
ウィドーがギラリと鋭い眼光をする。
「ほっほっほ、それは勘弁してくれ」
全員が声の方向に目をやると、木の枝からモルキが顔を出していた。
「モルキ!」
「儂は森の統一など考えとらんよ。だが、そろそろこの森を出てどこぞの国で頭を張ろうかと思っているだけじゃ」
「森を出るだと?おいおい、魔界は広いぜ。この森で暮らしてた方が身のためだぞ」
「ルークよ、お主はなぜその軍勢を築いた?」
「森の秩序を守るためだ」
「この弱肉強食の森で‘秩序’を口にするとはお前さんらしいな」
毎日生存競争や争いが絶えない魔獣の森。ここで言うルークの秩序とは、強さに飢え、強さに真摯である事。
そのために自エリアを拡大する事もあるだろう。
しかしディナスは強さではなく、支配に飢えた。アバルへの復讐という自分の憎悪のために、森の魔獣を利用しようとしたのだ。