魔界動乱期
「白みが薄れたのは、私の霧の属性のせいではなかったのか。白みを薄れさせたのはジードの属性……‘空’とでも言うべきものか?しかし水や火や風の属性を表す色がなぜ出ない?」

ラウドはこの事について考えを巡らせる。

「まさか、この場合真っ白な紙が持つ意味は……全ての属性を……!?」

「うっ……!」

ジードが突然頭を押さえうずくまった。

「ジード!!」

「だ、大丈夫。どうやらその‘空’ってやつ、随分な魔力を使うらしい」

ラウドは妖狐の言葉を思い出していた。
そして妖狐と同じ能力を持つジードを見て、何かが繋がりそうな直感めいたものを感じる。

「悪魔の子……妖狐だけが使えた‘空’の属性……ま、まさか、ジードは……」

そのとき、ジードがスッと立ち上がる。

「さて、行ってくるかな。あいつらも心配してるだろうし」

「ジード、今日はゆっくり休……飛んでいってしまった。風を纏って飛行するには何年も鍛練が必要なんだがな……」
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