ブラッディマリー
「ヴァンプの女は生理の間、吸血することしか出来ない。吸われるお前の心配をしただけだ」
「……そんな。たった1週間程の話だろ」
「万里亜ちゃんの相手は、お前だけなんだろ。人間、血が減ったからってすぐにまた増えるわけじゃないんだぞ」
煙草の火を灰皿に押し付けて消すと、俊輔は溜め息をつく。
「お前、献血したことないだろ。1回抜いたら3ヶ月は献血禁止って言われるぞ」
「……知らなかった」
血ぐらい、何ともないと思っていたのに。
言われてみれば、失血死という死に方がある。大量の血を失えば、それだけで人間は死ぬのだ。
和は冷たい万里亜の頬をそっと撫でてやる。その仕種を見て、俊輔は溜め息をついた。
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