ブラッディマリー
 




「だから──気にしなくていい。俺は、ヴァンパイアでも何でも……万里亜が欲しい」





 驚く程自然に言葉が出て、和はふっと頬を緩める。



「今日はさすがに、血じゃなくていいよな?」


「和……」


「ていうか、1週間近くも禁欲状態だから、俺がやりたいんだけど」


「和ぃ……」



「……言わせんな……好きだ」



 その言葉で、万里亜の表情がくしゃっと崩れた。



「いいの? 好きって言っても、いい……?」


「バーカ、飽きるまで言ってろ……ただし、言葉になるなら、な」



 そのまま覆いかぶさる和にしがみつくように抱きついて、万里亜はまた泣き出した。




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