ブラッディマリー
 


 ──今になって、万里亜が澄人に強要されていたセックスがそう濃やかなものでなかったと判る。



 気持ちを伴って抱き合うと、こうも情報量が変わってくるものなのか。



 ひそかにその事実に感動しながら、じゃあ万里亜とひとつになったら……?



 と想像して。


 和は戯れに万里亜を翻弄することを、また次の機会に持ち越すことに決めた。和が身を引いて離れると、万里亜は慌てて身体を起こす。



「……も、我慢出来ね。電気、消すぞ」



 口唇の端を拭いながら言った和に、万里亜はぞくりと身体を震わせた。



 ベッドの中に入ってから、和は万里亜のワンピースを脱がせ、さっき散々責めたそこをまた指でくつろげる。



「……万里亜」


「……っ……な、和……」


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