ブラッディマリー
「万里亜、起きてるか?」
ベッドの隅に腰を下ろし、枕元から薬を取ってミネラルウォーターで飲み干すと、和は埋まるように眠る万里亜を覗き込む。
万里亜の豊かなウェーブ髪は、昨夜散々和が掻き回したおかげで、四方に散らばったままだ。
すまなく思って手櫛で軽く纏めてやると、髪は絡まることなく和の指先の言うことをきいた。
「……んー……」
身じろぎした万里亜の肩が剥き出しになる。万里亜がすぐに起きられないのも、無理はなかった。
外は昨日から雨が降ったままで、とっくに正午を過ぎていると言うのに薄暗いし、何より万里亜は夜通し和が暴走し続けたせいで、もう最後の方は朦朧としていた。
出すだけ出した和はすっきり爽快だが。
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