ブラッディマリー
 


「うう……おはよう……」



 けだるげに万里亜は和を見上げる。



「大丈夫か?」


「うん……あ、腰とか……脚、痛いかも……」


「脚?」


「んー、付け根……?」



 股関節のことだと気付いて、和は小さく吹き出した。



「んん……何?」


「いや。腹減らない? 起きられるか?」


「ん」


「何か食いに行こう。コンビニばっかりじゃ飽きるしな」



 言われている間にぼんやりと目の焦点が合って来た万里亜は、和をしっかり確かめるなり、掛布を頭まで被ってしまった。

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