ブラッディマリー
「……和、買うもん多くなりそうだから万里亜ちゃん借りて構わないか?」
「だったら俺が行くけど」
「二の線ジャニ顔のお前の方が客ウケいいんだよ。だから店番」
「……」
「雨の日頭痛起こすお前に、車の運転なんか頼めないだろ〜?」
それが俊輔の気遣いだと判らない程、子どもではない。和はちらりと万里亜を見た。
「万里亜、俊さんが変なことしたら思いっきり咬み付いてやれよ」
和の言葉に、万里亜はぎくりと身体を強張らせる。俊輔は何も知らないような顔をして、肩を竦めた。
「しないって。万里亜ちゃん、うちのお姫様だから」
そのやり取りに安心したのか、万里亜は俊輔に気付かれないよう、ほっと小さく息をつく。
そんな万里亜に、和は瞳で『大丈夫』と語りかけた。
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