ブラッディマリー
カウンターから零れる血が、床にぴちゃん……と落ちる。万里亜の頭の内側に、脈打つごとに混乱が訪れた。
「……和を……助けて」
俊輔の眉がぴくり、と動く。
「……お前と関わったばっかりに、こんな身体になってしまったと、和は万里亜ちゃんを責めるかもよ?」
「それでもいい、生きててくれたら……」
「その時後悔したって……知らないよ?」
かっとなって、万里亜は焦らす俊輔の頬を力任せに打った。
「……っつ」
「ごちゃごちゃ言ってないで、早く助けて! でないとあたしが、あなたを咬み殺してやるから!!」
紅い瞳から零れ落ちる涙。
俊輔は万里亜の身体を抱き寄せると、その涙を舌で拭った。
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