ブラッディマリー
 

 痛いのではないだろうが、悲鳴のような万里亜の悦楽のひと鳴きに、今度は和が眉間に皺を寄せた。



 ヴァンパイアの女は、みんなこんなにいいものなのだろうか。



 一瞬、どうしようもない考えが頭を過ぎる。


 汗が流れ落ちて、万里亜の胸元に落ちた。それを見ながら、和は万里亜を抱きすくめ、律動を緩める。


 彼女の正気が戻らない程度にねちねちと奥で揺すりながら、和は万里亜の耳元で囁いた。



「万里亜……俺を、咬め」


「な、和……!? はっ、あ……」



 驚いて顔を見ようとした万里亜を押さえ込み、和はぎりぎりまで引き抜いて、また奥まで突き刺す。



「ああぁっ!!」



 びくん、びくんと万里亜の腰が不規則に揺れた。


 自分を包み込む万里亜の身体が、どうしようもなく喜んでいるのが判る。

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