ブラッディマリー
 


「なぎ、ど、して……っ……あ……」



 達して思わず涙が出たのか、首筋に暖かい雫が流れ落ちた。



「……一口でいいから、嘗めとけ。ヴァンパイアになった俺がどんな男か、判るだろ……」



 びくり、と万里亜の身体が震えたのは快楽の為ではない。



「血ならいいってもんじゃない。……それが、ヴァンパイアだろ?」



 まだ硬いものを身体の奥底に感じたまま、万里亜は震えながら和の背に回した指先に力を込めた。



「和……好き……。大好きだよ……和、だけなの……信じて……」



 判ってる……と掠れた声で呟いて、和はまた腰を進める。


 万里亜の紅い瞳から、更に涙が零れた。

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