ブラッディマリー
 

 万里亜は顔を赤くしながら、使用人の女を抱えて来た西成を見る。その人の良さを隠せない顔に、ほっとした。



「判った。和、早く来てね」


「ん、じゃ後で」



 和が階段を上がって来るのを見て、尚美はまだ何か叫びながら慌てて逃げるように、更に駆け上がった。


 万里亜は和の姿が見えなくなるまで見届けてから、待っていた西成とその場を後にした。




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