ブラッディマリー
「……俺は万里亜をまだ紹介してない。どこまで把握してるんだ、あんた」
「代わりとはいえ、今の黒澤を守っているのは儂だからな」
むくり……と身体を起こすと、敬吾は枕を立ててそこにもたれる。
「……さて、どこから話したものか。まずは、君子のことからか……」
懐かしそうに細められた敬吾の瞳を見て、和は眉をひそめた。
今なら判る気がする。それは愛しい者を想い、語る時の瞳だ。
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