ブラッディマリー
「お願い……済んだら放り出したって構わないから……」
「……おい……」
その尋常でない瞳の必死さに、和は眉をひそめる。
そこまでして自分と寝ようとする理由が、判らない。
すると、万里亜はひときわ大きくぶるりと震え、溜め息混じりに口を開いた。
「……ああ……もう、駄目……」
和を見つめる万里亜の瞳に、妖しい光が宿る。
万里亜は和を力いっぱい自分の方に引き寄せた。
「おい……!」
急に腕を引かれバランスを崩した和は、万里亜の隣に倒れ込んだ。目の前には、万里亜の大きな瞳。
……吸い込まれてしまいそうだ。
そう思った瞬間、和の身体に万里亜がのしかかる。
万里亜の口唇が、和の首筋に吸い付いた。
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