ブラッディマリー
 




「だから、殺してやったのさ。逃げた男と一緒にな」





 和は、咄嗟に万里亜を見た。



 澄人に寄り添う万里亜の瞳は、さっきまでの攻撃的なものではなくて。兄の腕に手を絡ませながらも、万里亜の瞳は何も映してはいなくて。



 無表情を張り付けたその綺麗な顔は、凍り付いていた。









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