ブラッディマリー
澄人が、まだ幼い自分を百合亜の代わりにし始めたということは、万里亜にも判っていた。
最初に教えられたのは、血の味だったことを覚えている。
万里亜が自分から血をねだり出すまでに、そう時間はかからなかった。万里亜が澄人から吸血行為を教育されるうちに、身体が少しだけ丸みを帯び始めた頃。
あっという間だった。指で、口唇で、抵抗の意味も判らぬままに、万里亜はすべてを澄人に奪われていた。足の間から流れた血を見て、幼い万里亜は悲鳴を上げた。
生きているものは血が出ると死んでしまう、幼い頭でそう思っていたから。
けれど万里亜が想像したようなことになる筈もなく、万里亜の初潮が来るまで、澄人はよく彼女の寝室にやって来るようになる。
そして、万里亜の血を吸ったり、強引に身体を押し開いて行ったりした。
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