ブラッディマリー
やがて、その日が来た。
お母さんは万里亜を捨てたりしないから、と言って、手を引いて連れ出してくれた。
初めて間近に見るお母さんの恋人──あたしの本当の父親は、とても優しそうな人だった。お母さんのことと万里亜のことは、全部判ってるからね、と安心させてもくれた。
男の人というのは、お父さんや澄人兄さんみたいに怖いものだとずっと思っていたあたしには、ちょっとした衝撃だった。
ああ、そうだ。
あたしのお父さんは、和、あなたと少し似ていた──。
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