ブラッディマリー
 


 この世で味わえる感覚を善悪の区別もつけずに全て、万里亜と共有できたらいいのに。



 和は到底叶う筈のないそんな望みを思い描きながら、泣いてのしかかる万里亜から与えられる快楽に思考を奪われていく。


 痛いことと気持ちいいことの狭間にあることが一番堪らないのだと、この瞬間和は万里亜に教えられた。



 こんな命がけの睦み合いは、初めてだ。









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