ブラッディマリー

パラノイアの残骸

 


 世の中には、星の数と比喩されるくらい、人は存在するけれど。


 出会った瞬間何かを感じる相手なんて、そうそういない。


 だからこそ俺は、その低い確率を避けて生きて来たんだ。


 自分以外の誰かのことで心が揺さぶられることが、怖くて怖くて堪らなかったから。



 ──そう、こんなふうに。




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