ブラッディマリー
 




 涙が枯れるまで、和が2人の骸の前でずっと泣き続けたあの日。


 心配して追って来た俊輔と敬吾が和を見つけ、万里亜と澄人も一緒に黒澤邸まで運ばれた。



 黒澤の関係者が踏み込んだ白城の家にはもう誰もおらず、澄人が喰い荒した数人の死体が残っていただけだという。


 人間から伴侶を迎える気のなかったらしい白城家は、どちらにせよもう終わりだったのだろう。



 俊輔が何があったのかと何度も問い詰めたが、和は最後まで黙っていた。




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