ブラッディマリー

白の理由

 


 確かに綺麗な女だった。


 水商売上がりの割にそこそこ品があって、親父が見せびらかしながら連れて歩くには、ちょうどいいくらいには。



 別に、親父がどこに誰を連れて行こうが関係ないし、どうでもいい。


 けど、それで母さんが泣くのは見てられなかった。



 どうして、俺はあんな方法を選んだんだろう。


 今ならもっと違うやり方で、もっとうまくやれるのに。


 大人のすることを変えようとするには、15っていう年齢は微妙過ぎた。




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