ブラッディマリー





「俺はいつでもいいんだよ──義母さん次第」





 そのやり取りだけで、陥落の手応え。



 生まれ持った手練手管は、外の女を切らすことのない父親譲りなのだろうかとも過ぎったが、それは考えないことにした。



 和の思惑通り、尚美はその夜遅く部屋を訪ねて来たのだから。




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