ブラッディマリー
それから何日もしないうちに、和は君子の遺体と対面する羽目になる。
夫と息子を奪われたという絶望。
それが君子に、浴室で手首を切らせた。
彼女の孤独な痛みと叫びは真っ赤な血になって、耐え切れずに身体から飛び出してしまった。
その姿を見つけた和は半狂乱になり、言葉にならない何かを叫び続けていた。
やがて聞き付けた誰かが、駆け付けて来るまで。
母が自殺をした日、正気を失った和の黒髪から色が失われていた。
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