ブラッディマリー
 

 仮に自分の子だとしても、敬吾の顔に泥を塗った自分はもうあの家に戻ることはない。



 黒澤の血を引いた子どもには違いないのだから、敬吾さえ知らなければどちらでもいいことだ。




 時々、トランキライザーが必要になるこんな身体は、生きるだけ生き長らえて、朽ちていくのが相応しい。



 救われることのない和の髪は、どれだけ伸びても未だ白いまま。









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