ブラッディマリー

　

　だからおかわり、と笑う俊輔に小さく舌打ちをして、和は溜め息をついた。



「ただお店にいるのは心苦しかったから……あたし、手伝いたい」


「決まりね」



　和は新しいグラスに作ったカクテルを俊輔の前に差し出すと、低い声で念を押す。



「忙しい時だけだからなー……マジで」


「はいはい」



　にかっと歯を見せて笑った俊輔の手元のグラスを、万里亜はじっと見つめた。



「……赤くて、綺麗」


「だろ」



　吸い寄せられるように見つめる万里亜に、俊輔はグラスを翳して見せる。

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